事業計画の構成要素とは?(前編)

チェスの戦略イメージ

販路開拓コンサルタントの千本(せんぼん)です。

事業計画の必要性については過去の記事において述べましたが、本日は事業計画書の構成要素について概要をご説明したいと思います。

一般的に事業計画書の構成要素は、概ね次の様になります。

  1. 経営理念
  2. 経営目標
  3. 経営戦略
  4. 機能別の戦略
  5. 収支計画
  6. 投資計画
  7. 行動計画

字面だけ見ると非常に難しそうに見えるので尻込みしてしまいそうですが、各要素の説明をお読みいただければご理解いただけると思います(※一般に経営用語は語感があまりソフトではないのですが、言葉の“雰囲気”に飲まれない様にしましょう)。

1.経営理念

経営者の考える「当社の理想の姿」を示したものであり、「どのような会社でありたいか」「当社はどうあるべきか」といった内容を文で表現したものです。表現を変えるなら、会社の方針・哲学・行動原理・思想・あるべき姿・決意・・・などと言い換えることもできます。

経営理念の役割は、企業の利害関係者(お客様、従業員、出資者、社会等)に対するメッセージということです。メッセージは、受け取った人の共感を呼ぶ内容であるべきです。これは自社と取引先などとの関係構築の基本となるメッセージですから、社内にも社外にも発信しましょう。経営者の内に秘めておいては全く意味がありません。

経営理念は、従業員の採用においても役に立ちます。会社に欲しい人材とは当社の考え方に合う人ですから、理念に共感できる人だけを採用し、理念に合わない人は採用しない事が大切です。なお、経営理念は組織の文化を作り上げる「核」になりますので、時間が掛かっても納得がいくものを作りましょう。

2.経営目標

会社の中長期目標(概ね3〜5年位)、短期目標(1〜2年)です。大別して数字で表せるもの(定量的)、数字で表せないもの(定性的)に分かれます。

例えば5年後の会社の姿として、売上規模・利益レベルを具体的金額で設定したり、店舗数、顧客満足度の向上、特定分野でナンバーワンになる・・・など様々考えられます。経営理念が抽象的なのに対し、経営目標は具体化したものになります。

ここまでの上記1・2の意味をまとめると、会社の目指すところとは「経営理念に掲げる理想の姿を追いつつ、経営目標に定めた具体的目標の達成を図る」となります。

3.経営戦略

上記の通り会社が目指すのは経営理念と経営目標ですが、その達成のためには経営環境を分析した上で、自社が生きていく方向性を打ち出す必要があります。その方向性が経営戦略です。経営環境の分析では自社・顧客・競合企業の動向や能力などを分析して、主軸となる方針・差別化の方向性・改善の方向性を打ち出します。場合によっては「戦わない」方向も選択します。

そして「当社は誰に・何を・どのように提供していくのか」といった事業コンセプト(事業領域)の明確化まで行います。

経営戦略とは「作戦」ですから、まさに経営者の作戦能力が問われます。顧客ニーズ・ライバル会社の行動・時流の見極めなど、経営者は冷静・的確な状況判断の上で次の一手を決めるという、いわば「策士」となる必要があります。

まずは1〜3番までご説明しました。4以降は次回にご説明します。

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