販路開拓コンサルタントの千本(せんぼん)です。
皆さんは事業計画を作成されていますか?私はこれまで全国の商工会議所などで事業計画の作成セミナー講師をしてきましたが、事業計画作成はハードルが高いと感じている経営者の方々は多い様です。それが故に、計画作成を敬遠してしまうのでしょう。
さて、「そもそも事業計画を作るべきなのか?」という疑問を持つ方もおられますが、私の結論は「作るべき」です。言ってみれば「事業計画とは、目標とする会社の姿を描き、その達成手段を決めること」に他なりません。この仕事が出来るのは、社長以外に有り得ませんね(手を動かすのは別の人だとしても)。少なくともこの先行き不透明な時代に企業を存続・成長させて行きたいのであれば、必ず作るべきです。事業計画を作成することはメリット云々ではなく、社長の責務です。「時間がないから作れない」のではなく、作る時間を設けましょう。「自分の周囲で計画を作っている人はいない」のなら、なおさらあなたは作るべきです。
ソフトバンクの孫正義さんは企業経営において目標を持つ重要性について、「まず登る山を決める」とおっしゃっています。登る山がはっきりすれば、その山を攻略するために必要な装備の調達・知識の習得・体力作りなどの準備が整います。「サンダル履いてぶらぶら散歩していたら、いつの間にかエベレストの頂上にいた」などという事はあり得ませんね。企業経営でも同じことが言えるのではないでしょうか?経営理念や目標がまずありきで、到達の手段を戦略的に考えるのが経営ですから、理屈は同じです。
さて、一般に「計画作成は難しいもの」とお考えの社長も多い様ですが、初めからあまり気負わず、まずは基礎的な内容で作成を始めてみてはいかがでしょうか。初歩としてA3の紙一枚に事業計画をまとめ上げることを、私はご提案しています。まず第一歩を踏み出さないと次に繋がりませんので(いずれ教材を販売する予定ですが、お急ぎの方は当社にご連絡下さい)。
もちろん、計画を作っただけで満足してはいけません。計画と実績のギャップを随時検証して、そのギャップの発生理由を考えて対策を練ること。その思考過程が、経営ノウハウとして社内に蓄積される。これが計画を作成する大きな価値なのです。以前「事業計画なんてどうせ当たらないよ」などとおっしゃる方もおられましたが、当て物ではありません。
事業計画は、先行き不透明な現代を生きるための大事なツールです。昔の高度成長期なら「頑張って良い商品をたくさん作り、売って稼ぐ」ことは出来たと思いますが、それは旺盛な需要に対して供給が追いついていないという市況がベースにあったからです。しかし商品が売れない供給過多の現代においては、作戦(戦略)無しに成長は困難です。ですから、私は顧客企業の社長さんに「(良い意味で)策士になりましょう」とお話しすることもあります。
別の機会に事業計画の記載内容についても書いてみたいと思います。